他力本願
【他力本願】
阿弥陀仏がいっさいの人々を救おうとして立てた本願。
また、自己修行の功得によらず、阿弥陀仏の本願力にたよって成仏するのを願うこと。
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『自力と他力』 五木寛之 著
他力本願が、いつ頃から他人だのみ、自己責任放棄の表現となったのかはわかりません。
しかし、本来の他力が「あなたまかせ」の思想でないことは言うまでもないことです。
私はかつて他力のはたらきを、風にたとえたことがありました。
エンジンのついていないヨットは、風が吹かなければ動きません。
逆風であれ、順風であれ、まったくの無風状態では帆走することは不可能です。
他力という風が吹いてこない限り、ヨットは自力で走ることはできないのです。
しかし、ただひたすら風だけを当てにして、ぼんやりしているだけでも駄目でしょう。
真剣に水平線の雲の気配をうかがい、いつかは必ず風が吹くと信じて、そのチャンスを逃さないようにしっかり見張っている必要があるのです。
せっかく風邪が吹いてきても、帆をおろして居眠りをしていたのでは意味がないのです。
やはりそれなりの自力の努力は必要なのです。
とはいえ、走らせようと気持ちだけあせって、手でかき回しても、ヨットは前へは進まないでしょう。
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今日は、五木さんの『自力と他力』を再読していました。
馬場さんの歌いつか君に追い風がと通じるところがありますね。
by keisyan | 2008-11-16 21:59 | 読書